時悠帖・五差路

まだ若いつもりでいたがついに老いを隠せなくなった爺の 時悠生活雑記

あれから10年、これからの1年

昨日、「あれから10年」という文字を見かけた。
それまで経験したことのない長くて強い揺れに始まって、自然の脅威を見せつけられた大津波、人間の手に負えなくなった原発事故… 多くの方が亡くなり、家を失った。あれから10年、復興が進んでいるところ、まだまだというところ、また、心の傷が癒えていない方も多いことだろう。 

思い出した。被害は少なかったのに何もできない自分にもどかしさを感じていた。出張で上京していた弟から迎えに来て欲しいと連絡を受けた。迎えに行くことができず断らざるを得なかった。駅の階段で寒い一晩を過ごし、翌日になって飛行機が飛ぶらしいと分かり、やっとのことで帰ったらしいと後で知った。この私は薄情な兄貴である。その大地震以外にも弟たちに兄貴としてふるまえていたか、と言えば否と言わざるを得ない。どこまで薄情なんだ。


いつの間にか、爺ちゃんと言われる(言われたくないけど)年になってしまった。若いころには全く考えられなかったことである。
これまでの10年、私自身はあまり進歩がなかった。これからの10年、どんな社会になっていくんだろうか。今となってはこの先の10年は長すぎる。とりあえずは、これからの1年。来年の今日を迎えられますように。