時悠帖・五差路

まだ若いつもりでいたがついに老いを隠せなくなった爺の 時悠生活雑記

最後の写真

押し入れの奥に仕舞い込んであった古いアルバムの写真をスキャナで取り込み、パソコンで管理し始めたのが十数年前。

 一人旅でよく撮影したのは風景写真。でも、それがわかるのはその場所を訪れた・それを撮影した私だけ。眺めて懐かしく楽しめるのは風景写真よりもやはり人物写真、写っている本人。そのため、SL・城以外の風景写真は取り込み対象から外した。
 写真を見て何か違和感を感じるものが十数枚あった。なんと、左右反転していた。つまり、焼き付けるときにネガフィルムが裏返しだったということ。いい加減なお店もあったんだ。
 ネガ・ポジフィルムが残っているものはそれをスキャンしてみたが、残念ながら、カビ、カビ。きれいな状態のものはほとんどなかった。
 初期のアルバムは写真を直接糊付けしていたので、台紙がA4以下のサイズは台紙ごとスキャン。おかげで、台紙の余白に書き込んだ懐かしいメモ・文字まで取り込めた。
 総じて、保存状態が悪かった。特に悪かったのが結婚写真。大事な写真は仕舞い込んであっても時々取り出して眺めること。それがいい保存につながり、いい二人の関係を保てる。本当?

アルバムに貼ってあったプリント写真の一部はデジタル化したが、アルバムそのものは捨てきれずに、また押し入れの中に戻してあった。

人生、いつかは終わりが来る。
残された遺族が困るのがアルバムの扱いだそうである。
数年前、ついに、ついに、アルバムを捨てた。
といっても、息子のアルバムは捨てきれず、結婚写真も状態が悪いけれど捨てられず、私とカミさん個々のアルバムを捨てた。

人生、いつかは終わりが来る。突然に。
突然に終わりが来るものだから、その時必要になるのが本人の写真。
私もカミさんもアルバム・プリント写真はもうない。パソコンの中から探す?
子どもは離れて暮らしているからそんな時間はない。
それでは今からその写真を用意しておこうじゃないか。
ということで、それぞれ気に入った1枚をプリントしておくことにした。
さすがに額には入れないけど、息子たちにはその保管場所を教えておかなければならない。