時悠帖・五差路

まだ若いつもりでいたがついに老いを隠せなくなった爺の 時悠生活雑記

繰り返す老

独身の頃の寮生活の一コマ、の同じような夢をまた見た。
当然、現実とは違っている。理想や願望とも違っている。
そんな夢を見たついでに、夢ではない昔話を書いてみる。

社会人となり同期数人と共に横浜市緑区(当時)美しが丘の寮に入った。
最寄り駅は徒歩15分くらいのたまプラーザ、そこから渋谷・代々木で乗り換えて研修場所へ通った。
一方、同期のK一人だけは2時間近く(以上?)かけて自宅から通った。
Kの利用する路線は終電が早いので、行事があっても早めの中座がしばしばであった。

ある日の飲み会、終電に間に合わなくなったKは我々の寮に泊まることになった。
ところが、同期数人が乗った最終電車はなんと、一つ手前までだった。
仕方ないのでそこから線路を歩いたりしながら寮までたどり着いた。

と、Kが言う。そして、その中に私もいたと言うのだ。
そんな話を一年前の飲み会帰り、一緒の電車の中で聞いた。
「いや、私はほとんど飲めなかったので最後まで居残るはずはない」と言っても、「いた」「いた覚えはない」が二人の繰り返しになった。

先月末、Kともう一人の三人で飲むことになった。
そのときに再び、「いた」「俺じゃない」を二人で繰り返したのだった。
いい奴なんだよ、Kは。そのKにもう一度同じことを言われたら、「あ、俺もいたな」に変わりそうである。