時悠帖・五差路

まだ若いつもりでいたがついに老いを隠せなくなった爺の 時悠生活雑記

食べ物の思い出

ある兄弟がいました。兄は4〜5歳だったでしょうか。
ある日、兄は母に用事を頼まれてお隣の祖母宅へ行きました。
帰ろうとしたとき、その祖母からリンゴを1個もらったそうです。
すると今度はなかなか帰ろうとしません。
祖母が聞きました。「リンゴを持って急いで帰らないの?」
兄は答えました。「だって、○○(弟)もいるんだよ」
兄は弟の分ももらって急いで帰ったそうです。
なんと、弟思いなんでしょう。

ある兄弟がいました。(先ほどの兄弟とは異なります)
お店に用事のあった母は、弟の方を連れて行きました。
どうしてもあれが食べたいな〜、と弟は心の中でつぶやきました。
すると、気がついたお店の方がくれたそうです。「○○(兄)には内緒だよ」
ある日、今度は兄弟二人を連れて行きました。
弟は言いました。「この前、ここに座って食べたんだよ」
おかげで今度は兄弟一緒に食べることが出来ました。

普段その兄弟たちは分け隔てなく同じように食べさせてもらっていたようです。
それは父の方針でした。
その父には兄がおり、小さい頃、兄と同じようには食べさせてもらえなかったそうです。
昔なんですね、家長・長男は絶対ですから。弟だった父はお腹がすいても我慢するしかありませんでした。
父は自分自身の体験から、子どもは平等に育てよう、同じように食べさせよう、と、常々母に言っていたそうです。

いつになっても忘れることの出来ない思い出はあると思うんです。特に食べ物に関しては。。