時悠帖・五差路

まだ若いつもりでいたがついに老いを隠せなくなった爺の 時悠生活雑記

私の怖いもの

怖いものといえば「地震雷火事親父」と言われたりするが本当に怖いものって何だろう。

子どもの頃は確かに親父は怖かった。
いつも怒られていたわけではない(叱られてはいたけれど)。ある時、何か口答えしたら 鼓膜が破れたんじゃないかと思うくらい一発食らったことがあった。今でも覚えているのはその一回である。この私と違って普段は優しい父であった。

父と母は喧嘩しなかったそうである。いや、喧嘩にならなかったそうである。
夫婦いつも仲がいいというわけではない。何かがきっかけで口論が始まることもある。そんな時に母はプイッと知らんぷりしたそうである。(殴れるもんなら殴ってみろ、くらいは言ったらしい・・本当に殴ったら取り返しがつかないことになるから殴らなかったみたいだ。)
母は祖母から「男ってものはどうしようもないときがあるから、そういう時は女の方が一歩下がって知らんぷりすればいい・・」ようなことを聞かされていて、それを実行していたようである。
父は時々言ったそうだ。「お前はずるい。喧嘩しようにも知らんぷりして逃げてる」と。
(我が家とは違うなぁ。時代も違うけど。)

近くで火事の起こった記憶はない。火の元に十分注意すれば火事は防げると思っている。
外部から受ける火事は自分では防げない。でも、その確率は低いと思う。

雷、これは怖い。ここに移り住んで知ったのは雷が多いのとその怖さ。
光ってから数秒だからまだ遠くだ、と言ってるうちに、ズッス~ン、とてつもない地響きがした。ピカッ! 近くの鉄塔に雷が落ちた。カーテンを閉めたってその怖さは変わらない。でも、稲妻を窓から眺めるのが好きだったりする。
雷で停電になったことがある。あぁ、真っ暗だ、と玄関ドアを開けてみると、あれ、他の家には灯りが・・我が家の屋外のブレーカが飛んでいたのであった。
雷が近づいてきたら懐中電灯は確認しておこう。

雷は会社(建物内)で働いてる時も怖かった。
避雷針はあっても誘導雷がある。設備障害が発生したらそれを速やかに復旧させなければならない。いつ、どこに、どの程度の被害をもたらすか・・夜勤なんか二人だけになる。どうしてくれる。雷は怖かったなぁ。

雷に比べて台風はそう怖くはなかった。自宅は大丈夫かなぁ、と心配しつつ、会社にいれば建物が我が身を守ってくれる。まさか鉄塔は倒壊しないだろう、と。
どういうわけか、台風がやってくるのは私の夜勤の時が多かった。
ある晩、電話がかかってきた。「(墓場の近くで)火の玉が見えた。」
連絡を受けたのでゴム長履いて傘持って外へ出た。こりゃ無理だ、帰ってこれなくなる。
風が弱まってから現場へ確認しに行った。火の玉はなかった。設備にも異常はなかった。
台風の怖さランクは会社を辞めてからいくつか上がった。

地震、これはいつ襲ってくるか分からない。これまでに経験した大きな地震は二つ。
もっと怖いのは津波。一切合切なくなってしまう。

怖いのはやっぱり「自然災害」、そして最近思うようになったのが「病気」、怖い。