時悠帖・五差路

まだ若いつもりでいたがついに老いを隠せなくなった爺の 時悠生活雑記

家族、親と子

単身赴任していたことがある。
家族の住む町から電車を乗り継いで数時間、夜遅くなってから電車を降りると、みんな早足で改札に向かっている。私は心持ち足取りが重い。
「みんな家族のもとへ帰るんだ。いいな。俺なんか、真っ暗な部屋が待ってるだけだ。」

家族。夫婦、親子。親に育てられ、育つ。独身・結婚、子ども。
何の意識もなく、家族が普通に生活を送っている。
ある日突然、我が子が病院で取り違えられた他人の子、と言われたら..
乳児だったらまだいいが、数年間も親子として暮らしていたら..
さらには、お互いの家族の生活環境が大きく異なっていたら..
赤ちゃん取り替えが発覚すると、ほとんどのケースで、これまで育ててきた「情」よりも「血」を選ぶという。
本当にそれでいいのだろうか。

映画「そして父になる」は重いテーマを投げかけている。お薦め度 ★★★

子どもは親を見て育つ、親に似てくる、という。
それは、血が繋がっていてもいなくてもそうなのだろう。夫婦だって似てくるし。
子どもがいるから親であり、親がいるから子なのだ。
昨日この映画を観て、自分自身の子どもの育て方・接し方は、果たして親・父として十分であったろうか、と感じるところ大であった。